2026年10月から パート・有期雇用の労働条件通知書に記載事項が追加されます
2026年(令和8年)10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが改正されます。
主な改正点は次の3つです。
- 雇い入れ時の労働条件明示事項の追加
- 「同一労働同一賃金ガイドライン」の改正
- 雇用管理の改善等に関する措置の内容の改正
今回は、1つ目の「雇い入れ時の労働条件明示事項の追加」について確認します。
追加される明示事項
パートタイム・有期雇用労働法では、パートタイム労働者・有期雇用労働者を雇い入れたときに、労働基準法に基づく明示事項に加えて、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の4つを文書等で明示することが義務づけられています。
今回、これに「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる旨」が追加されます。


記載例のとおり、「説明を求めることができる」と書くだけでなく、その求め先となる窓口(部署名・担当者職氏名・連絡先)まで記載する形になっている点にご注意ください。
この「窓口」では何をするのか
パートタイム・有期雇用労働法第14条第2項では、パートタイム・有期雇用労働者から求めがあった場合、事業主は次の2つを説明しなければならないとされています。
- 正社員(通常の労働者)との間の待遇の相違の内容と、その理由
- 法第6条から第13条までの措置を講じるにあたって考慮した事項
※ 法第6条から第13条までの措置とは、労働条件の明示、不合理な待遇差の禁止、教育訓練、福利厚生施設の利用、正社員への転換推進など、パートタイム・有期雇用労働法が事業主に求めている措置のことです。
今回、労働条件通知書に記載することとなった窓口は、この「説明の求め」を受け付ける窓口です。
たとえば、パート従業員の方から「正社員には賞与があるのに、なぜ自分にはないのか」「食堂は正社員しか使えないのはなぜか」といった問い合わせを受けたときに、対応する先ということです。
これまでも明示事項に「相談窓口」が含まれていましたが、こちらは法第16条に基づくもので、雇用管理の改善等に関する事項全般についての相談を受け付ける窓口です。
今回追加されるのは待遇差の説明に特化した窓口ですので、厚生労働省のモデル労働条件通知書でも、「その他」の欄に2段に分けて記載する形になっています。

同じ担当者が両方を兼ねること自体は差し支えありませんが、通知書には別々に記載する必要があります。
どの部署の誰が対応するのかを、あらかじめ決めておきましょう。
2024年4月の追加分も再チェック
明示事項は、2024年(令和6年)4月1日にも次のとおり追加されています。
まだ様式に反映できていない場合は、このタイミングであわせて見直しましょう。

また、厚生労働省のモデル労働条件通知書には、「就業規則を確認できる場所や方法」を記入する欄も設けられています。
記載しておくと後々のトラブル防止に役立ちますので、様式を差し替える際にあわせてご確認ください。
改正にあわせた準備
明示が必要となるのは、施行日(2026年10月1日)以降に新たに雇い入れたときと、有期労働契約の更新時です。
すでに雇用している方の労働条件通知書を10月に一斉に出し直す必要はありませんが、契約更新のタイミングで新様式への切り替えを忘れないようにしてください。
なお、今回追加されるのは、あくまで「説明を求めることができる」ことを知らせる義務です。実際に求められた場合には、事業主は上記の1.2を説明しなければなりません。
この説明の方法についても、10月1日以降は「資料を活用して口頭で説明する」か、「説明すべき事項をすべて記載した分かりやすい資料を交付する」かのいずれかによることとされます。問い合わせがあった際にきちんと説明できるよう、様式の差し替えとあわせて、自社の待遇差の理由を整理しておきましょう。
参考リンク
自社の待遇差が説明できる状態になっているか、就業規則や賃金規程の見直しが必要かなど、ご不明な点がありましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
リムコンサルティングスタッフ

大阪府和泉市を拠点として、堺市や大阪市を中心に人事・経営のコンサルティングを行っています。
社会保険手続きなどの実務支援から、組織づくり、賃金制度・人事制度設計などのコンサルティングまで、幅広く企業の経営をサポートしています。
代表 中小企業診断士・特定社会保険労務士 丸山 理一



