全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました
令和8年度の地域別最低賃金について、9月3日までに全ての都道府県で改定額が答申されました。
全国加重平均額は、昨年度の1,121円から56円引上げの1,177円です。
大阪府は、昨年度の1,177円から54円引上げの1,231円で、令和8年10月1日発効の予定です。
関西2府4県の改定額
関西2府4県の改定額は、次のとおりです。
| 都道府県 | 改定額 | 改定前 | 引上げ額 | 目安差額 | 発効日(予定) |
|---|---|---|---|---|---|
| 滋 賀 | 1,136円 | 1,080円 | 56円 | ±0 | 令和8年10月3日 |
| 京 都 | 1,180円 | 1,122円 | 58円 | +2 | 令和8年11月16日 |
| 大 阪 | 1,231円 | 1,177円 | 54円 | ±0 | 令和8年10月1日 |
| 兵 庫 | 1,172円 | 1,116円 | 56円 | ±0 | 令和8年10月1日 |
| 奈 良 | 1,107円 | 1,051円 | 56円 | ±0 | 令和8年10月4日 |
| 和歌山 | 1,101円 | 1,045円 | 56円 | ±0 | 令和8年10月3日 |
※「目安差額」は、中央最低賃金審議会が示した目安額との差です。大阪府はAランク(目安54円)、他の5府県はBランク(目安56円)に区分されています。
関西2府4県では、京都府だけが目安額から2円上乗せされました。また、発効日も府県ごとに異なり、京都府は11月16日と、大阪府より1か月半ほど遅い設定になっています。
今回公表されたのは、各都道府県の地方最低賃金審議会による「答申」です。この後、答申内容の公示と異議申出の受付という手続を経て、都道府県労働局長が正式に決定します。
厚生労働省も、発効日は答申公示後の異議申出の状況等により変更となる可能性がある旨を注記しています。給与改定の準備は今から進めていただき、最終的な発効日は労働局の公示でご確認ください。
以前の記事はこちら
令和8年度の地域別最低賃金の目安が公表 - リムコンサルティング
賃金が最低賃金を下回っていないかの確認方法
最低賃金を下回っていないかどうかは、次の2つの手順で確認します。
- 最低賃金の対象となる賃金を洗い出す
- その賃金を1時間当たりの金額に換算し、最低賃金額と比較する
① 最低賃金の対象となる賃金を洗い出す
最低賃金の対象となる賃金は、通常の労働時間・労働日に対応する賃金に限られます。実際に支払われる賃金(総支給額)から、次の賃金を除外したものが対象です。
- 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
- 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
- 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
- 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
- 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
※深夜労働について除外されるのは「通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分」、つまり割増部分だけです。深夜に働いた時間そのものに対応する通常分の賃金は、最低賃金の対象に含めて比較します。

② 1時間当たりの金額に換算して比較する
時給制・日給制・月給制それぞれの比較(確認)方法は、次のとおりです。
(1) 時間給制の場合
時間給 ≧ 最低賃金額(時間額)
(2) 日給制の場合
日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)
(3) 月給制の場合
月給 ÷ 1か月平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)
※ 1か月平均所定労働時間は、「年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12」で算出します。
※ 基本給が時給制で手当が月給制の場合など、支給方法が混ざっている場合は、それぞれを上記のとおり計算し、合算した額と最低賃金を比較します。
実務での注意点
適用範囲
パート、アルバイト、嘱託、試用期間中の方も含め、雇用形態や呼称を問わず、その事業場で働く全ての労働者に適用されます。
派遣労働者の取扱い
派遣元ではなく、派遣先の事業場がある都道府県の最低賃金が適用されます。今年度は大阪府と京都府で発効日が1か月半ずれますので、府県をまたいで派遣している場合は特にご注意ください。
就業規則・賃金規程の見直し
賃金規程に具体的な時間額や日額を記載している場合は、規程の改定と、労働基準監督署への変更届出が必要になります。改定作業とあわせてご確認ください。
ここ数年、最低賃金は上昇が続いていますが、最低賃金の近くにいる従業員の給与のみ引き上げが続くと、中堅層の従業員との差が縮まります。
この状態が数年続くと、経験や責任に応じた差がほとんどなくなり、従業員の定着やモチベーションに影響する可能性もあります。
今回の最低賃金の引き上げにあわせて、給与表全体の見直しの検討も必要かもしれません。
厚生労働省HP
令和8年度最低賃金額答申|厚生労働省
最低賃金の改定への対応など、お困りのことがあれば、お手伝いさせていただきますので、ぜひお気軽にお問合せください。
リムコンサルティングスタッフ

大阪府和泉市を拠点として、堺市や大阪市を中心に人事・経営のコンサルティングを行っています。
社会保険手続きなどの実務支援から、組織づくり、賃金制度・人事制度設計などのコンサルティングまで、幅広く企業の経営をサポートしています。
代表 中小企業診断士・特定社会保険労務士 丸山 理一


