従業員数50人未満の事業所でもストレスチェックが義務化
多様な人材が安全に、かつ安心して働き続けられる職場環境の整備を推進することを目的に、令和7年に労働安全衛生法が改正されました。
今回は、その改正内容のうち「職場のメンタルヘルス対策の推進」のためのストレスチェック制度についてご紹介します。
改正内容
ストレスチェック制度は、労働者のストレス状態を定期的に把握し、メンタルヘルス不調を未然に防止するとともに、職場環境の改善につなげることを目的とした制度です。
これまでは、常用労働者数50人未満の事業所では、実施は努力義務とされてきましたが、今回の法改正により、令和10(2028)年までに段階的に実施が義務化されます。
労働災害等の状況
厚生労働省の統計によれば、精神障害に関する労災請求件数は年々増加しています。
令和6(2024)年度の精神障害による労災請求件数は3,780件に上り、そのうち労災認定された件数も1,055件と、過去最高を更新しています。

詳細はこちら→令和6年度「過労死等の労災補償状況」を公表します|厚生労働省
実際、「職員のメンタル面が心配」「休職や離職が増えている」といったご相談を受けることも少なくありません。
メンタルヘルス対策は、今や一部の大企業だけの課題ではなく、中小企業にとっても避けて通れない経営課題となっています。
ストレスチェック制度の内容
ストレスチェック制度では、従業員へのストレスチェックの実施に加え、高ストレス者への面接指導の機会提供や、一定規模以上の事業所では労働基準監督署への結果報告などが求められます。

※国では、今後、小規模事業者が円滑に制度改正に対応できるよう、50人未満の事業場に即したストレスチェックの実施体制・実施手法についてのマニュアルの作成や、面接指導の体制拡充などの支援を進めるとしています。
実施にあたって
新たに制度を導入することで、「事務対応が増えそう」、「何から手を付ければよいかわからない」、と負担に感じることも多いのではないでしょうか。
しかし、この制度は、職場の状態を客観的に把握できる「経営改善のツール」として活用することが可能です。
例えば、個人の結果をもとに、それぞれのメンタル不調の兆しを早期に把握できるだけでなく、部署や職場単位での集団分析を行うことで、過重労働や不適切なマネジメントなど、組織構造に起因するストレス要因を可視化することができます。
こうした分析結果を踏まえ、
- 業務プロセスの見直し
- 管理職へのフォロー
- 職場環境の改善
などを進めることで、離職防止や生産性向上につなげることができます。
どうしても対応しなければならない制度であれば、事務負担ではなく、自社の課題を見直すことができるツールだと、前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。
法改正をきっかけとして、現状分析の結果や新たな取り組みを行うことは、持続的な人材確保や組織活性化に繋がる大きなチャンスになるかもしれません。
リムコンサルティングスタッフ

大阪府の和泉市・堺市などを拠点に、人事・経営のコンサルティングを行っています。
社会保険手続きなどの実務支援から、組織づくり、賃金制度・人事制度設計などのコンサルティングまで、幅広く企業の経営をサポートしています。


