2025年7月 キャリアアップ助成金に新コース

短時間労働者労働時間延長支援コースが新設

事業所様からお問い合わせの多い助成金「キャリアアップ助成金」。
2025年(令和7年)7月より、新たに「短時間労働者労働時間延長支援コース」が始まりました。

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者などの非正規雇用労働者の方のキャリアアップを促進するため、正社員転換、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。

キャリアップ助成金についてはこちら(厚生労働省HP)

今回新たに始まった「短時間労働者労働時間延長支援コース」は、いわゆる「年収の壁対策」として新たに創設されたコースで、短時間勤務の従業員の方を新たに社会保険に加入させるとともに、収入増加の取り組みを行った事業主の方に、従業員1人につき「最大75万円」が支給されます。(※1年目までの取り組みを行った場合は「最大50万円」)

出典:厚生労働省 キャリアアップ助成金パンフレット

要件は、大きく分けて2つあります。
① 対象となる従業員の方を社会保険に加入させる
② 対象となる従業員の方の収入増加の取組みを行う

① 「従業員の方を社会保険に加入させる」について
現在雇用している短時間勤務の従業員の方を社会保険に加入させるためには、その方が次の被保険者要件を満たす必要があります。
▶従業員51人以上の事業所 
週の所定労働時間が20時間以上で賃金が月額8.8万円以上であること。(学生を除く)
▶従業員50人以下の事業所
週の所定労働時間及び月の所定労働日数がフルタイム従業員の方の3/4以上であること。(※労使が合意すれば、3/4未満の短時間労働者の方も加入できます。その際の要件は、従業員51人以上の事業所と同じです。)

② 「収入増加の取り組みを行う」について
下記(1)(2)のいずれかの取り組みを行うことにより、従業員の方の所定労働時間を延長させ、賃金を増やす必要があります。

パターン(1) 週の所定労働時間を「5時間以上」延長させる。

パターン(2) 週の所定労働時間を「2時間以上5時間未満」延長させて、基本給を次のとおり増額させる
・2時間以上3時間未満の場合 15%以上
・3時間以上4時間未満の場合 10%以上
・4時間以上5時間未満の場合 5%以上

支給対象となるかは下記でチェックできます。

出典:厚生労働省 キャリアアップ助成金パンフレット

また、対象となる短時間勤務の従業員の方が、社会保険加入日の6ヵ月前から継続雇用さていることや、支給申請される事業所で2年以内に社会保険加入していないことなどの要件や、対象となる事業主の方の要件などもあります。

このコースは「年収の壁対策」として新たに創設されたコースなので、当分の間の暫定措置として設置されています。終期については現時点では決まっておりませんが、内容が一部重複している既存の「社会保険適用時処遇改善コース」は2025年(令和7年)度末で終了します。

すでに「社会保険適用時処遇改善コース」での取り組みを進めている事業所様についても、「短時間労働者労働時間延長支援コース」の支給要件を満たす場合は、切り替えての申請が可能です。

厚生労働省HP「キャリアアップ助成金」のページはこちら